。有名声優だってきっと一人も起用していないし,有名アーティストが楽曲を作ったりもしていない。 こうして言葉にして「ないもの」を並べると割と壮観だといま自分でも思ったわけだが,これらはすべて,トリコという作品においては何の価値も持たないものなので,問題はない。では「人喰いの大鷲トリコ」には何があるのか。それはただ一つ,上田氏が描く「リアリティ溢れる世界」だけである。大事なことなので強調しておくと,「リアルな世界」ではなくて「リアリティ溢れる世界」である。 すべてが現実のものじゃないのに,リアリティ溢れる存在感を持った,世界,建築物,そして大鷲トリコ。「架空だからこそ表現できるリアル」をとことんまでどこまでも突き詰めたその作品は,もはやゲームではない。というか,別にゲームじゃなくてもいい。 とにかく1日でも1時間でも早く,あの世界に入って,あの素晴らしい大きな動物と戯れたい。あの羽根によじ登りたい。しっぽにつかまりたい。一緒に冒険がしたい。リアルな設定は何一つないのに,なぜかあの世界は「生きている」のだ。トリコと共に,建物から脱出したり,敵と戦ったり,パズルを解いたり,きっとそういうエンターテイメントになるんだと思う(あえてゲームとは言わない)。 うまく言えないが,私にとってトリコは,「ICO」「ワンダと巨像」に続き,ゲームではない何か新しい形のエンターテイメントなのである。それにつけても,あと1年は,長すぎる……。 「」 書き終えたあと,「あなた,編集長なんですから,アラド戦記 RMT,もうちょっと気になる作品を挙げてください」と言われたので,あと2本「これはやろう」と思ったものを名前だけでも挙げておくと(誌面が足りなくてごめんなさい!),「VANQUISH(ヴァンキッシュ)」(セガ,開発:プラチナゲームズ),「コール オブ デューティ ブラックオプス」(スクウェア?エニックス,開発:Treyarch)となる。 ……あれ,メイプルストーリー RMT,なんかこれデジャブだなと思ったら,昨年とある意味まったく同じだった。人間の好みはそうそう変わらないということなのか,それとも私が何も進歩していないのか。 TAITAI 関連記事の本数は実に224本,的にも過去最大規模の取材体制で臨んだ今回の柧━博`ムショウだが,それと同時に,個人的には,初めて「自分で取材しない」ゲームショウでもあった。もちろん,悠々と会場を見て回る……というようなことが許されるわけはなく,取材どころか,まともに会場を見て回ることすらままならない忙しさで,ただただ忙殺されていただけだったのだが
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